Tomoyasu Nakajima
暮らしに寄り添い、使うほどに愛着が深まる器を制作する陶芸家
土に触れた瞬間の手触りだけを頼りに、器の可能性を探る。一枚ごとに違う「線」を刻みながら、使い手とともに完成へ向かう器をつくる。
- 作家名
- 中島 智靖
- 活動拠点
- 京都
- 仕様・技法
- 技法にとらわれない自由度の高い制作
旅先や工事現場で目にした土に足を止め、時には土地の所有者に直接連絡を取ってまで、その土を手に入れる。焼き上がるまで本当の姿を見せない土の「不確実な個性」に惹かれ、そこから器づくりが始まります。表面に刻まれる「線」はその日の心の在りようをそのまま映し、使い込むほどに表情を深めていく――そんな「育つ器」です。
土が本来持つ個性をどう引き出すか
創作の出発点は、形をつくる前の「土」そのものへの興味です。旅先で山道を走れば、剥き出しになった地層の揺らぎに目を奪われ、工事現場を見つければ車を止めて、その土に直接触れに行く。きれいに整った器をつくることよりも、土が本来持っている個性をどう引き出すかに関心が向いています。 そして、器が手元に届いた瞬間を「完成」とは考えていません。あえて釉薬をかけずに土を見せた部分は、日々手に取るうちに水分や油分を含んで表情を変えていきます。最初はざらついた質感も、使い込むほどに艶を帯びていく――その変化ごと含めて、一つの器として届けたいという考え方です。
器の表面に走る「線」
心が昂ぶっているときは大胆な線、自信が持てないときは繊細な線が重なる。線はその日の内面を映す記号であり、同じものは二度と描かれません。
使うほどに育つ「経年変化」
釉薬をかけず土を見せた部分は、使い込むほどに水分・油分を吸って艶を増していきます。届いた時点ではなく、使い手の生活の中で完成していく器です。
ガタつきを一切許さない仕上がり
釉薬が底に溜まって器が傾く、テーブルでカタつく――そうした違和感があるものは、見た目が良くても完成品として扱いません。厳しい焼成の工程を経て選び抜かれたものだけが届けられます。
土の呼吸、心の軌跡、そして未完の美
旅先で山道を走れば、剥き出しになった地層の揺らぎに目を奪われ、工事現場を見つけては車を止めて、直接触その土に触れに行くのです。「これは鉄分が多い土だ」と肌で感じ、時には土地の所有者に自ら連絡を取ってまでその土にこだわるのは、焼いてみるまで本当の姿を見せない土の「不確実な個性」に、どうしようもなく惹かれているからに他なりません。
インタビュー記事を読む →