Natsumi Ishii
衝動のままに、日常に寄り添う粉引の器を作る陶芸家
効率よりも、心が動くほうへ。あえて難しい技法に挑み続けながら、しっとりとした白の「粉引」を届ける。
- 作家名
- 石井 菜摘
- 活動拠点
- 京都
- 仕様・技法
- 「生化粧」による粉引の器
会社員として東京で働きながら、料理を楽しむ中で器の魅力に目覚め、他の作家より10年以上遅いスタートで陶芸の道へ。京都の著名な作家のもとで修行を積み、あえて型を使わない「ろくろ」という険しい道を選び、しっとりとした白が美しい「粉引」の器を追求し続けています。
鼻歌を歌うように軽やかに器を形作る師匠の姿に憧れた「ろくろ」という険しい道
「人生は一度きり。やらずに後悔するより、やって後悔したい」――そんな真っ直ぐな衝動が、陶芸の道へ飛び込むきっかけでした。型を使うなど効率的な技法もある中、あえて選んだのは、師匠が鼻歌を歌うように軽やかに器を形作る姿に憧れた「ろくろ」という険しい道。10段階のうちまだ「5」にも満たないと自覚しながら、一段ずつ成長を噛み締めるように土を挽いています。 白さを生み出すためにこだわっているのが、削った後の半乾きの器に白い泥をかける「生化粧(なまげしょう)」。泥の水分で形が崩れる危険と隣り合わせの技法ですが、一度焼いてからでは出せない、内側から滲み出るような「しっとりとした艶やかさ」を信じて、この手法を貫いています。
しっとりとした質感の「粉引」
半乾きの器に白い泥をかける「生化粧」というリスクの高い手法を選ぶことで、他にない内側から滲み出るような艶やかな白を実現しています。
あえて選ぶ「ろくろ」の道
型を使わず、ろくろで一つひとつ丁寧に形作る、手仕事ならではの表情。
使うほどに味わいの増す経年変化
水を吸い、使うほどに色が変化していく粉引。共に過ごした時間の証として楽しめる器です。
抗えない衝動。効率よりも、心が動くほうへ
京都の静かな工房に流れる、柔らかな空気と芸人さんのラジオ。そこで土を捏ねる彼女の物語は、効率や計算とは無縁の「純粋な衝動」から始まりました。会社員から陶芸の世界へ、そして京都の著名な作家への師事。遅いスタートを「伸びしろ」と捉え、あえて困難な技法に挑み続ける彼女が、真っ白な「粉引(こひき)」の器に込めた想いを聞きました。
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